企業の目利き
企業の目利き
従業員数が20-30名以上の中小・中堅企業となれば、社長がいくら一人で頑張っても事業再生は困難です。それぞれの持ち場で社員が役割を果たしてくれてはじめて再生に向かって動き出します。
収益が悪化する企業は、能力不足の社員ばかりなのでしょうか?私たちの経験では、そんなことはありません、といえます。寧ろ問題は経営者側にあるといっても良いでしょう。もちろん、10人の社員がいれば、働きが悪い社員や周りに迷惑をかける社員が1-2人はいます。この状況は利益を出している会社でも同じこと。
社員の能力を発揮させる環境を作ってこなかった経営者側にこそ問題があります。
事業再生を引っ張ることができる社員かどうかを目利きするポイントは次の3つです。
頭の良し悪しやマネジメント力の有無などの難しいことは言っていません。中途半端に賢くそれをひけらかす社員は邪魔になることはあっても役に立つことはありません。指示されたことを理解する普通の頭があれば構いません。
素直に指示されたことをやろうとする姿勢は不可欠です。サボる人はギリギリの企業の現場には不要です。
このような社員がほとんどいない会社も、ごく稀にはあります。なぜそうなるのか?経営陣の過半数がこの3つの要件を満たしていないからです。経営者としてのモラルが極めて低い状態です。この場合、残念ながら事業再生の可能性は極めて低いと回答することになります。
人はそれぞれ得手不得手があります。不得手を時間をかけて解消しレベルアップすることは、本質的な人材の力量アップという点からは必要なことです。しかし、時間との戦いとなる事業再生の現場ではそんな悠長なことは言っていられません。
そこで、適正配置を考えます。社員一人ひとりの能力や特徴、更には同僚からの信頼の程度を掴み、営業や生産現場、生産管理、設計など、それぞれの部署で即戦力となってくれるよう適正配置を行うのです。これは、事業再生の現場ではとても重要な事柄となります。